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1282回のミニマルな再挑戦『VVVVVV』

ゲーム2013-12-09 22:51

VVVVVV

先週、Steamのホリデーシーズンに合わせたセールで、いくつか気になっていたゲームをまとめて購入しました。ちょっとした時間が空いたときにでも、少しずつ消化できればいいかなという感じで。以前つらつらと書いた通り(「ゲーム」の記事一覧 | EPX studio blog)、相変わらず大作よりもインディーゲームに興味があって、そういうので評価が高くて自分に合いそうなものを選んでます。なにしろ、今までPS3だの3DSだのっていうコンソール系しか眼中になかったもので、未知のタイトルがいっぱいある。良かったものは、ブログに書いていこうと思います。

その中から、アクションゲーム『VVVVVV』をクリア。何年か前にちょっと話題になったゲームらしく、いくつかレビュー記事を読んで面白そうだなと思ったのと、何と言っても下の紹介映像が超刺さった。コモドール64ふうの色数少ない画面のなかを、すっとぼけたキャラがちょこまか動く。ああーこういう感じねっていう、だいたいその通りです。

開発したのはUKのインディーゲーム開発者Terry Cavanagh氏で、最近ではiPhoneアプリの『Super Hexagon』が少し話題になりましたね。サイトを見たら、もうずっと草の根でフリーゲームを作ってきたという人物で、いまもバリバリ作っているっぽい。

VVVVVV(読みかたはヴィーとかなんとか)のルールは単純明快で、操作は左右とボタンひとつのみ。このアクションボタンはジャンプですらなくて、重力を反転して天井方向に落ちていくというだけのもの。この単純な操作系だけを使って、障害物を避けつつ先に進んでいく。VVVVVVってのは、Vがいっぱい、つまるところ、この障害物であるトゲトゲのことを指しているんだと思うんだけど、すごくいいネーミングだ。

というのもこのゲーム、とにかく死ぬ!ちょっと滑ると死ぬし、ボタンを押すのが0コンマ何秒早くても遅くても死ぬ。わー死にそうと思って行くと死ぬし、おっ行けそうと思って行っても死ぬ。いわゆる、死んで覚えるゲーム。冒頭のスクリーンショットの通り、私は初見クリアまでの3時間弱のあいだに1282回死にました。

私はこういったゲームにコンプレックスがあって、世の中の歯ごたえのあるとされるアクションゲーム、たとえばロックマンだとか、クリアできた試しがなかったのです。こんなハンドル/DJネームにしているけど、R-TYPEみたいな硬派なシューティングは苦手だし、全然自信がない。
で、これも多分途中で投げ出すなと思って始めてみたところ…なんと、いけた。ものすごくヘタクソだけど、自分の力だけでできた!そして、すごく楽しかった。

ゲームバランスというのを考えたとき、プレイヤーがクリアできない壁に突き当たった場合にどういうオプションを提示するかという点に、その作品の思想が表れると思うわけです。例えば、3DSの『スーパーマリオ3Dランド』には、所定の回数同じ場所で死ぬと無敵になれるというのがあって、私もこのおかげで最後までお話を楽しめた。だけどこれって、今考えても、ゲーム屋さんとして禁じ手中の禁じ手だったのではないかと思う。
だって、アクションゲームの楽しさって、壁を乗り越えて先に進むこと自体にあるのであって、キャラとかお話は二の次なはず。誰もが同じように学習して、それでも乗り越えられない壁があるのなら、それはレベルデザインがおかしいんですよ。

VVVVVVは、これを、ひとつひとつのチャレンジを極端にミニマル化するという方法で解決していました。つまり、コンティニュー可能なチェックポイントをものすごく細かく設置して、必ずミスの直前から、しかも残機の概念なしで無限にやり直せるようにした。なので、根気が続く限りチャレンジできるし、繰り返していれば"まぐれ"の1回でもクリアできて、そのすぐ先でセーブできる。さらに全体として、プレイヤーに妥当な学習曲線を辿らせるような、良くできたステージ構成になっていました。

それでも、同じ場所で何十回と死んでると、さすがに心が折れる直前までは行く。くじけそうになったとき、やる気にさせてくれるのが音楽で、これが本当にカッコ良かった。昔のゲームさながらの勇ましい8ビットサウンドで、ドラムだけPCMみたいな。Bandcampで、『PPPPPP』というかわいいジャケのアルバムも出ていて、YouTubeにも作曲者本人が全曲アップしている。実質的なテーマ曲の"Positive Force"がしびれる。10曲目の"Potential for Anything"もいい。

外国の作品らしいなと思うのが、各ステージ、というかほとんど全部の部屋に短いタイトルがついていて、そのセンスがいいのです。画面の下部に出ているのだけど、遊んでいて、ここがいつも気になっていた。スタッフを見ると、この部屋の名前を考えるだけの作家がクレジットされていた。

ちゃんとヘタクソな人でもクリアできて、かつ、鬼のようなチャレンジもあるという。笑うのが"Doing Things The Hard Way"という縦長の部屋で、これはTumblrで流れてきたので見てください。

EPX studio.clip - zekter: VVVVVV - Doing Things The Hard Way
http://epxstudio.tumblr.com/post/69068458308/zekter-vvvvvv-doing-things-the-hard-way

左上の入り口から入って、ずーっと下まで落ちて、キャラが立っている位置にごほうびアイテム(Trinket)がある。間にブロックみたいな障害があって、単純なジャンプができないため、ここへ行くためには重力を反転してずーっと上まで「落ちて」行き、頂点でまた反転して落ちてくる必要がある。って簡単に言うけど、これトゲに当たらないように落ちていくの無理でしょ!なんか、戻ってくる途中にワナもあるしさあ。

これはクリアしてもしなくてもいい最難関のチャレンジだけど、全体的にこういうゲームです。この、キャラのふざけた感じと音楽が好きになってしまったら、4.99ドルはものすごく安く感じるかも。私はハマりました、これ。

Steam:VVVVVV
http://store.steampowered.com/app/70300

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