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西山まりえ チェンバロ・リサイタル
クラシック | 2010年2月 6日 22:07
実は、YouTubeで最初に西山さんのゴルトベルクのアリアを聴いたとき、あまり好みの演奏じゃなかった。コメント欄でも指摘されているように、テンポ・ルパートを多用した表現がちょっと過剰なところがあって、グールドのように機械的で正確無比な演奏が好まれがちなバッハの鍵盤楽曲に対して、いい意味では挑戦的な感じがして、ずっと引っかかっていた。今回、たまたま比較的地元に近いフィリアホールでコンサートがあると知り、すぐにチケットを取った。
オールバッハ・プログラムで、インヴェンションからの抜粋6曲とイタリア協奏曲、休憩を挟んで、通しでゴルトベルク変奏曲全曲という内容。
ゴルトベルクは、最初に感じていた違和感が徐々に氷解していって、一巡してアリアに戻ってきたときに、すごく腑に落ちたというか、どうしてああいう表現なのかが分かった気がした。とにかく、一般的な演奏でさらっと弾くところを敢えて止めたり、止めるところを繋げて弾いたりという、揺らぎの作り方が独特。第7変奏はほとんど違う曲のように聞こえる"跳ねかた"でびっくりした。
表現の幅が広がるのと引き換えに、バッハの曲の裏側を走っているかっちりしたリズムが揺らいでしまって、(個人的には)速い曲ではしっくりこない所も…。逆に、ゆっくりした曲ではその個性がすごく映えていて感動的だった。13や15はもちろん、他の人の演奏だとわりと退屈になってしまう、長ーい第25変奏とかも素晴らしかった。
チェンバロだと、どうしても去年聴いた曽根麻矢子さんのゴルトベルクと比べてしまうんだけど、西山さんは、激情型の曽根さんの演奏とある意味で対極にあって、ゆったりした雄大な感じ。第16変奏(序曲)の前半や、第30変奏ではその独特なアクセントがすごく効いていて、特に後者は今まで生で聴いた同曲のなかで一番良かった。そして、アリアに戻ってきて、あーこういうことなんだ、っていう。YouTubeであれだけ切り取ってしまうと分からないけど、このバッハもすごくおもしろい!
導入として使われたインヴェンションも同様で、抜粋の順番も含め、解釈の背景にすごく意図が感じられて楽しかった。イタリア協奏曲も良かったけど、今度はフランス組曲とかパルティータも聴きたいなと思ったり。いろいろと新鮮な体験でした。
- 西山まりえ チェンバロ・リサイタル
- 2010年2月6日(土)18:00@青葉台フィリアホール
- インヴェンションより(BWV772-779)
- 第7番/第3番/第4番/第1番/第2番/第8番
- イタリア協奏曲 BWV971
- 第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 プレスト - ゴルトベルク変奏曲 BWV988
- アリア
第1変奏~第30変奏
アリア - アンコール:マルチェルロのオーボエ協奏曲(バッハ編曲)BWV974より
- 第2楽章 アダージョ
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