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青色申告、記帳の手順と仕訳の要点

日記2013-02-26 23:28

主に、来年の自分への覚え書きです。一年も経つと忘れてしまうよね。

過去記事はこのへん(「e-Taxで初めて青色申告してみた」「やよいの青色申告を使ってみた」)を参照してください。

私の場合、商店やはたまた企業のように細かい取引が日常的にあるわけではないので、経理業務に関してはどうしてもルーズになりがち。案件管理のために、Excel上のプロジェクトリストは細かく更新しているけど、「やよい」を使ったナントカ帳みたいな帳簿への記入は、ほとんど、というか一年間まったくやっていませんでした。それを、3月15日までになんとかしたいと思い。もちろん、作らないと申告できないし、申告しないと払いすぎた税金が戻ってこないからです。

余談ですが、申告していないと、所得に応じて変わる住民税や健康保険料の額が決まらないため、何度も所得を申告するように催促が来たり、遅れるとまとめて請求されたり、いろいろこわーいことがあります。私は何年か前、実際にやらかして懲りました。

そして、以下はあくまで初心者である私なりの「やよいの青色申告」の使いかたです。特にこの方法をお勧めするものではありませんし、参考にしていただく場合はご自分の責任においてお願いします。何にせよ、書籍がいろいろ出ています。

売り上げの入力

何はなくとも、収入を整理したいので売り上げから記入していきます。記帳のためにはさまざまな種類の帳簿があり、これが最初の混乱のもとなわけですが、これらはすべて関連があり、やよいの場合はひとつの帳簿に記入すると、自動的に他の帳簿に転記される仕組みになっています。つまり、取引の種類によって、書きやすい(見やすい)帳簿を使えばいいわけです。

さて、私の場合は請求が納品・検収を兼ねているため、記帳のタイミングは、請求したときと回収した(代金が振り込まれた)ときです。売掛帳を開き、画面上部の「補助科目」で事前に売掛金の補助科目として設定したクライアント名を選択し、クライアントごとに取引を入力します。勘定科目は「売上高」、摘要に案件名、請求額といった感じで。
続いて、回収したときの記帳方法です。同じ売掛帳で、勘定科目に「普通預金」、補助科目に事前に設定した銀行名、適用に案件名、回収した金額。以上は、実はやよいに同梱されている「業務マニュアル」に書かれているそのままの方法です。

ひと手間必要なのは、源泉徴収をされている場合。この場合、回収にあたる取引の記帳方法が異なります。

まず、請求時の全額を回収したものとして普通に記帳し、その行冒頭を右クリックして「振替伝票に変換」します。振替伝票の編集画面で、2行目に借方勘定科目「事業主貸」として記入し、源泉徴収額を入力します(あらかじめ、事業主貸の補助科目として「源泉徴収」という科目を作っておくといいようです)。そのままだと、貸借バランスがゼロにならず伝票を登録できないので、1行目の売掛金を実際に入金された額(=請求全額から源泉徴収額を引いた額)に手動で修正し、「登録」ボタンでその伝票を保存します。
以上で、売掛帳上でも「振伝」として保存され、この取引の入力は完了です。

ところで、年度をまたぐ取引の入力はどうするか。例えば、年度内に納品・請求して、入金は次年度になる場合。

この場合は、まず「ファイル」>「繰越処理」で次年度の事業所データを作成してしまいます。いろいろダイアログが出ますが気にせず保存。完了すると、次年度の画面になっているので、「年度切り換え」で当年度に戻り、売掛帳で請求時取引を入力、「次年度更新」で次年度に移って、次に入金時取引を入力。このとき、売掛金の帳簿上、右上の「残高」に繰越金額が反映されています。「年度切り換え」でまた当年度の編集に戻ります。

預金通帳に基づく経費の入力

なんだか長くなってしまいましたが、ここからは要点だけ。

次に、銀行の預金通帳をもとに、既に入力済みの売り上げ回収分の取引を除く、すべての取引を入力していきます。私用のために使った取引も、すべてです。私の場合、ひとつの口座で事業用と私用が一緒くたになっているのですが、あまり良くないみたいです。私もそう思います。入力がめんどくさいからです...。

預金出納帳を開くと、先に売掛帳で記入したうち、銀行口座に関係する取引が既に記入された状態になっています。表示されない場合、画面左上の補助科目で銀行名を選択します。

さて仕訳です。事業に関係しないもの、つまり経費と認められないものは「事業主貸」です。私的に引き出したお金は事業主貸。国民健康保険料と国民年金保険料も事業主貸。住民税も事業主貸。詳しくは「No.2210 やさしい必要経費の知識|所得税|国税庁」などを参考に。

クレジットカードの支払いについては、後述します。

経費にあたるものは経費として。振込手数料は、勘定科目に「支払手数料」というのがあります。

普通預金の利息は、科目は「事業主借」とすると良いようです。なぜならすでに税金が引かれているため、所得税の課税対象にならないからとか(「預金の利子の扱いは?」)。

所得税の還付金は?これは、「雑収入」で良いようです。これにより、あとあと作成する決算書の「売上(収入)金額」は、売り上げに雑収入を加えた金額になります。

クレジットカードに関する取引

経費にあたる買い物と、私物の購入費用がごっちゃになっていると面倒ですね。私のやり方はこうです。まず、仕訳日記帳で、経費にあたる取引だけを借方「消耗品費」・貸方「未払金」などとしてばーっと記入。
次に、私用の取引を借方「事業主貸」・貸方「未払い金」として記入。このとき、月々のカード請求明細を参考にして、月あたりの請求額から諸経費を除いた「私物のみの請求額」を事前にまとめておくと楽です。
最後に、預金出納帳で口座引き落としにあたる取引を入力していきます。借方勘定科目は「未払金」です。ここでカードの支払いすべてを入力したら、預金出納帳と実際の預金通帳がまったく同じ内容になるか確認します。

現金に基づく経費の入力

そして、現金出納帳を用いた現金の取引です。厳密には事業用の現金を分けるべきでしょうが、私の場合、案の定プライベートのお金とごっちゃになっています。なんとかなります。最初の事業所データ作成のときに、ざっくりと事業用の現金を用意したと仮定して、入力しておきましょう。
溜め込んだ領収書・レシートを引っぱり出して、経費にあたるものを入力していきます。長い道のりです。全部入力し終わったら、とりあえず申告に必要な決算書の出力ができます。お疲れさまでした。

そのほか申告の準備

社会保険料控除、つまり健保と年金に支払った全額をまとめておきます。証明書の添付は不要なので、金額だけすぐ分かるようにしておくと楽です。

国民健康保険料は、うちのあたりだと翌年度の1月に、世帯主宛てに「国民健康保険料年間納付済額のお知らせ」というハガキが来ます。総額はこれに書いてあります。

国民年金保険料は、当年度の10月に、本人宛てに「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」というハガキが来ます。これは、10月時点でまだ払っていない額を含む見込み額での記載となっているので注意が必要です。

源泉徴収税額も、クライアントごとに集計しておきます。先の記事の通り、e-Taxにおいては支払調書の添付は不要だそうですが、申告書を作成するときに手動で入力する必要があります。還付されるか否かの重要なポイントなので、入力漏れのないよう気をつけます。

だいたいこんなところです。
何にせよ、日常的に記帳をこなしていれば、申告直前にバタバタすることはないんですよね。身をもって学びました。とりあえず、無事に済んでよかったです。

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