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『シュガー・ラッシュ』

日記2014-06-29 16:58

ディズニーによるCGアニメ映画『シュガー・ラッシュ』を観ました。ちょっと忘れちゃったんだけど、だいぶ前にTwitterでフォローしている漫画家だかアニメーターのどなたかが絶賛していて、そのうち観るリストに入れていたもの。
ツタヤディスカスを利用していると、ウィッシュリストがそのまま上位から順に送られてくる定額リストになるので便利ですね。DVDが郵送されてくる、というフロー自体が今どきアレな点は別として…。

で観たんですけど、良かったです。

筋書きとしては、おおよそテンプレートに沿ったシンプルなもので、架空のビデオゲームのなかの悪役が、自分もヒーローになりたいと言い出して奮闘するというお話。パックマンやソニック、ストIIのザンギエフなど、実在のゲームのキャラクターが多数登場して、ゲーム機の裏側にある世界がかわいらしく描かれる…というだけだと、ふーんって感じになっちゃうのが難しいところで。全然そういう、つまりオールスターの企画もの的なやつじゃなくて、往年のビデオゲーム文化への真摯なリスペクトが感じられる、オリジナルな作品でした。そして大元の設定がかなり大雑把とはいえ、これだけ入り組んだ複雑なプロットを、よくぞこれだけシンプルに見せたというか。

様々なゲームの悪役キャラが集まって、グループカウンセリング的なセラピーをやっている冒頭のシーンからして、既に現代的で面白いんだけど、これって結局大人向けの作品なんですよね。将来は何者にでもなれるという子供のためではなくて、既にある自分を肯定しようという。そのための題材がビデオゲームというのもまた、例えばこれ、60代より上の人が観てもまったく意味が分からないと思うし、ゲームを全然知らない文化圏の人が観ても同じように通じないと思う。かつてゲームキッズだった大人ための作品。

ありがちなことに、邦題が良くないんです。なんで変えちゃうんでしょうね。現代は"Wreck-It Ralph"で、これは主人公ラルフが悪役を務めている作中のゲーム"Fix-It Felix"の裏返しで。そこに意味があるのにー!善玉と悪玉、創ることと壊すこと、という二律背反のなかにアイデンティティを見出すお話なのに。「シュガー・ラッシュ」というのも作中のゲームタイトルからなんだけど、こっちは単に舞台なので、別にテーマには意味的にかかってない。

これは一事が万事で、たとえば冒頭の悪役セラピーで出てくるフレーズで、クライマックスでも効果的に使われる印象的な一節がある。これ、good/badの対比を巧く使った詩的な表現で、日本語訳だと全然良さが伝わらないので、これはほんと英語版で。単純だけど沁みるんだ。

I'm bad, and that's good. I will never be good, and that's not bad. There's no one I'd rather be than me.

あとけっこう驚いたのが、子供向けのディズニーなりの配慮なのか、吹き替えだと映像も差し替わるんですね。英語の看板だとかが、ご丁寧に日本語フォントになっていて、それはまあいいんですけども、ヴァネロペがラルフに贈り物をする場面で、たどたどしい手描きのメッセージだからこそじーんとくるシーンなのに、業者が作ったみたいな日本語フォントになってて、ああもうみたいな。吹き替えの声優さんがすごく良くて、特にオリジナルだと良くも悪くも花沢さんばりのダミ声のヴァネロペちゃんが、単純にかわいくて表現力も豊かなキャラになっているのがハマっていただけに、いろいろと惜しい。

和訳でいえばもうひとつ、そのヴァネロペというキャラにプログラム上の欠陥があることがお話のキーになっていて、それをオリジナルでは"glitch"と表現しており、映像的にも「グリッチ」が効果的に使われている。このグリッチって、まだそんなに一般に浸透していると思えないし訳すのは難しいと思うんだけど、字幕も吹き替えも日本語は「不具合」になっていて、なんか違うというか、笑っちゃった。せめて、バグってるとかのほうが通じるのにね。

そういうようなことは抜きにしても、ほんと良い作品でした。続編の話もあるみたいだけれど、これはテーマがこれ以上ないくらいに簡潔にまとまっていて全てが必要十分で、むしろ続編はなくていいです。同時に、ゲーム大国である日本でこういう作品が生まれなかったのは、なんだかもったいないし、でもやっぱ何年経っても生まれなかっただろうなという。ディズニーすごいよね。

シュガー・ラッシュ | ファンタジー・アドベンチャー | ディズニー映画
http://www.disney.co.jp/sugar-rush/

Veta with Stanislav Tolkachev

テクノ2014-06-25 01:08

スタニスラフ・トルカチェフのことを知ったのはいつだったか。初めてBeatportで曲を買ったのは一昨年の暮れくらいで、近年のテクノにしては珍しいくらい速いbpmで、グニャグニャしたウワモノシンセが主張していて、まるで初期のUmekか初期のSurgeonかっていう。端的に言うとドがつくくらいツボで、一気にファンになりました。

以来、曲を買ってはDJで使ったりしつつ、どこの国の人なんだろう、いつか来日しないかなと思っていましたが、先日ようやく念願叶いました。21日のVeta@moduleで初来日公演。そして、ウクライナの方だったのでした。

この日のパフォーマンスは、60分のライブと90分のDJによる2時間半のセットで、たっぷりと濃い世界を堪能できました。ライブはどんな機材を使っていたのか、EMX-1があるのは確認できたけど、あとはなにかハードウェアと、使っていたのかいないのかAbletonの立ち上がったPC。

まず、音がめちゃくちゃラフなんです。マスタリング時のようにデザインされた音では全然なくて、中低域はぼわっと塊になっているし、いろんな音が埋もれている。だけど、そんなことはどうでも良くて、そのなかでもキックがちゃんと「分かっている」鳴りかたで、かつ変態的なシンセの不協和音アルペジオが、プレイヤーの身体というフィルターを通して奇跡的にハマる瞬間が何度もあって、最高にスリリングでした。まるで安全装置のないジェットコースターに乗っているような、牙むき出しの猛獣と戯れるような。脳汁ドバドバ出ました。

やーなんか、ほんとこれなんですよテクノは。上手くある必要とかまったくない。それでも、確実にその人でないと作れないシーケンスというのがあって、トルカチェフはその意味で個性が突出している。

I’m really a big fan of Stanislav Tolkachev. I believe I released one of his tracks on Geophone recently. He contacted me years ago when he was not that well known, and I knew there was something special about him right from the beginning.
http://dubmonitor.com/mike-parker-interview/

これはMike Parkerによるトルカチェフ評で、実際に彼のレーベルGeophoneからリリースされた"Heartbeat"という曲は、キックのないトラックながら、反復するパーカッションとメランコリックなシンセのシーケンスで、異色の存在感を示していました。

私が彼の曲で特にお気に入りなのは、ベルギーのPlectorから昨年リリースされた"I Can't Wait Any Longer"。これはオフィシャルのビデオがあります。

Downwards一派のような退廃的美学は確かに入ってるんだけど、それよりもっと飾らないというかプリミティブというか、90年代の手探り感がある。一方で、この人とかMike Parkerがやっているような質感のテクノというのは、単なる懐古主義とは明らかに違う。この音はこの音なりの未完のアートフォームがあって、それを今のセンスで追求しているように感じます。
なぜそんなに肩入れするかというと、ぶっちゃけた話、私の作っているテクノの理想形と限りなく近いんですこれ。昔から聴いてくださっている方には、私が学生時代から今に至るまでやっていることはほぼこれと同じことだというのが分かっていただけると思うんですけども。

そういえば先日、RAに掲載されていたBlawanとPariahによるハードウェアライブユニットKarennへのインタビュー記事が、すごく良くてですね。もう、まさにと膝を打つ内容ばかりで。たとえばこれ。

音楽は別に完ぺきじゃなくても良いというか。ドラムンベースの奴らみたいに「最高のミックスダウンだな!」とか言わなくていいのさ。ドラムンベースのプロデューサーたちはミックスダウンのクオリティにこだわりすぎていて、クリーンでパーフェクトなミックスダウンじゃダメだと思っている。でもそうじゃない。そのサウンドでどう感じるかだ。
http://jp.residentadvisor.net/feature.aspx?2129

あるいは、最後のこれとか。

言っちゃえば、超マニアックな部分に自分たちを放り込んだら、たまたま上手くいったってだけの話さ。だから俺たちのようなライブや制作をしようと思っている人がいるなら、心配しなくていい。挑戦してみて、そこに入り込んでみれば、最高の作品が生まれる。上手くいかなかったらそれはそれだし。誰も文句は言わない。ただの音楽なんだからさ。
http://jp.residentadvisor.net/feature.aspx?2129

まあ、ここでドラムンを槍玉に上げているのは単に一般化できる比較対象としての例だろうけど、言わんとしていることは分かる。「完璧」じゃなくても「良い音」というのは確かにあって、こつこつ体裁を整えることよりも、突出した個性みたいなものを出していければ、アーティストにとってそれ以上価値のあることはないんじゃないか。あるいは、そのラフな音を聴いた人が「これくらいなら自分にも作れるかも」と思わせることのほうが(逆説的ではあるけれど)パワーとしては重要だったり。

Stanislav Tolkachev, BRUNA Live @ Dommune (Part 2) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=7bxzO5hmSUU

今回のパーティーに先立って、トルカチェフがDommuneに出演したときの映像。どんと貼るのも憚られるのでリンクだけにしておきますが、いやあまさにこれ。すべてあらかじめ135bpmで作った自作曲のみのよる90分のミックスで、3デッキ使ってほぼライブで。

あっちこっちに話が逸れましたが。この日、ライブのあとはDJセットで、そのままの勢いで往年のハードミニマルクラシックも交えつつ。ライブからはシームレスに繋いでいましたが、音が急に良くなったのですぐ分かった(笑)。Steve Stollの"Model T"(オリジナルのほう)とか、ベルトラムの"Game Form"とか、久しぶりに聴けてうれしかった。踊ったわ―。

Vetaというパーティー、以前Rødhåd初来日のときも遊びに来たけど(秋葉原重工#8とVeta with Rodhad | EPX studio blog)、毎回外タレが意欲的な人選で応援したくなります。まだ来日していない勢では、SHXCXCHCXSHとかすっごく聴きたいんですけど、どうですかね。

リマスター版『ゴジラ』

日記2014-06-19 18:50

ハリウッド版『GODZILLA』の国内での公開を控えて、TOHOシネマズで初代『ゴジラ』のリマスター版をやっているというので、観に行ってきました。まさか映画館で観られるとは思ってなかった。

映画『ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版』公式サイト
http://godzilla1954.jp/

私はこの、いわばファーストゴジラについては、まったくの初見。そもそも怪獣映画に興味を持ったのが去年観た『パシフィック・リム』から、ってのだからアベコベもいいとこで。それでも、レジェンダリーによるハリウッド版を来月には(たぶん)観に行くにあたって、まずDVDでギャレス・エドワーズ監督の『Monsters』は観て、それでいて元ネタ観てないというのはナシなんじゃないかと思っていたところに、このリマスター版劇場公開の報。まあ、なんだか一律1,000円と安いみたいだし、というのもあったけれど。

で実際観てみて、なるほどこれがみんなが言う『ゴジラ』か、と今更ながらに納得した次第で。それと同時に、これが1954年…終戦からたった9年目に公開された映画ということに、改めて驚きを感じました。特撮の技術がとかってよりは、テーマ自体や、テーマの描きかたについてね。

『ゴジラ』は怪獣映画であって、怪獣映画というのは、パニック・ムービーの亜種としての定型のひとつだと思っていたのですが、それだと多分この映画の半分の説明にしかならない。確かに、東京に上陸して破壊の限りを尽くすシーンは、ほとんどエクスタシーに近いものがあって、物が壊れて炎がゴウゴウ上がるさまは単純に気持ちがいい。あの模型を(と言ってしまうと身も蓋もないけれど)作るのも大変だったろうに、と思いながら。

だけど『ゴジラ』って結局、芹沢博士が「決断」するお話なんですね。ただ危機があってそれを乗り越えて良かったね、というお話では全然なくて、ひとりの人間が自分の意思を選択するというのが本質で、そこに至るある種の装置として怪獣というモチーフが使われているだけで。つまりリメイクであろうと何であろうと、『ゴジラ』が『ゴジラ』であるためには、モンスターが出て大暴れというだけじゃまったくの片手落ちで、そういう意味で次のハリウッド版も古参ファンに試されるのだろうなぁと。

…それを踏まえて『パシフィック・リム』のことを思い返すと、あの映画のシンプルなまでの能天気さに、じわじわと笑いが込み上げてくる。カイジューが出た→核でやっつけるぜ→やったー!「のみ」だもんね。でもあれはあれで完璧で、かえってそういうとこが好きになるというか。デル・トロさんがDVDのコメンタリーでめちゃくちゃ『ゴジラ』について熱く語っているくだりがあるんだけど(しかもだいぶ長い)、観返したくなりますね。

リマスターという点に関しては、私はオリジナルを知らないのであれですが、映像はすごくきれいでした。いわゆる昔の白黒映画につきものの、チラチラするゴミみたいのが一切なく、普通にカラーをモノクロに変換しただけみたいな美しさ。台詞も聴き取りやすく無音部分のノイズもほぼ感じなかったので、相当手を入れたんじゃないかというのは想像に難くなく。

ガンダムにゴジラにと、なぜだか古典を遡っていく機会が何かと多い昨今ですが、新鮮な気持ちで楽しめるというのは、これはこれでいいのかもね。大変おもしろかったです。

「ニンジャ万博」に行ってきた

漫画2014-06-16 16:06

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いわゆるマンガ同人誌の世界に足を踏み入れて、もう干支ひとまわり分くらいになるけど、オンリーイベント系の即売会というものに一般参加したのは初めての経験でした。小規模ながらも、ファンの人たちの作品に対するラブとリスペクトが熱気となって渦を巻く、すごく刺激的な一日だった。参加するにあたっての事前のあれこれは、前回の記事(「ニンジャ万博」に参加します | EPX studio blog)の通り。

ニンジャ万博(略称:にんぱく)」は、『ニンジャスレイヤー』のファン有志による単発のオンリー即売会。6月15日、会場は、東武東上線大山駅の板橋区立グリーンホールというところ。ちょうど一般的な会議室1~2室分の広さに、計40近くの参加サークルと委託スペース、イベントスペースが配置されていました。

コミティア的なまったり感を想定して、イベント開始1時間後くらいに着く感じで出かけてみたら、これが大盛況で。昼12時の時点で入場待機列こそなかったものの、その後まもなくして入場パス、カタログも売り切れたようです。本のほうも早いところはちらほら完売が出ていて、あわてて、気になっていたサークルさんの本を買い集める。

参加者のみなさんは老若男女さまざまで、ファンの層の広さを感じた。というか、書籍化・アニメ化が進行しているとはいえ、世間的にはまだまだマイナージャンルの『ニンジャスレイヤー』コンテンツの読者が、Twitter上だけではなくこんなにも実在するんだというのは、新鮮な驚きでした。コスプレ参加者もけっこういて、なんだかお祭りっぽい雰囲気。

参加させていただいたアンソロジー本も、無事受け取ることができました。主宰のヌーヌさま、他の参加作家のみなさま、ありがとうございました。ほか、購入した本などをざっと列記します。ものすごい力作ぞろい。読みおわったらレビューというか、ちゃんと感想を書きておきたいな。

  • ちくわ大明神(ぬぬ山ヌーヌさん)『フーリンカザン』
  • ふわふわ壁ルーム(うさぎのかぶりものさん)『ニャンコクトン・ジツ!』
  • 森林博物館(ささささん)『epicurean!』
  • 罪罰画業組合(北浜勇介さん)『パンチライン・ライク・ア・ZBR・オーバードーズ』
  • ふがふがビレッジ(sktmさん)『Light to Shine out of Darkness』
  • 聖なるバイオヤマブシ(しんさん)『ニンジャのドグラップ』
  • 1.8次元(ひろしさん)『鉄火箸』
  • TWO-PAGE&ヤラカシタ・エンタテイメントさん『い・け・な・い ニンジャガールズ』
  • 沖ノ島げろり庵さん『サークルS(シマナガシ)パンクス』
  • 同上『トモダチのツルに/足が生えていた』
  • 同上『アフターマスのなんか』
  • 同上『ネオサイタマ駐屯組のなんか(冬)』
  • マグロポットマート(Noteさん)『赤黒のバイエル』

14時からは、イベントスペースで野良修さんによる「ニンジャ紙芝居」。なんと第1部の「レイジ・アゲンスト・トーフ」を題材にした自作の紙芝居ショー!これ、50名限定の前売り券を逃してしまって、でもすっごく観たくて開始時間まで粘っていたら、立ち見で鑑賞することができました。同じように集まった人々が立見席の後ろまでぎっしりで、始まる前から異様な熱気と興奮。

2部に登場するザイバツニンジャ、パープルタコに扮した野良さんの巧みな語りと、無限軌道オニギリさんの描かれた力強くもツボを押さえたイラストで、めちゃくちゃ盛り上がりました。特に、クライマックスのムーンウォークのシーンは大喝采!まず紙芝居にこのエピソードを採用したこと自体が文句なく大正解でしたね。

ニンジャスレイヤーの登場シーンでは、紙芝居をめくるタイミングに合わせてみんなで「Wasshoi!」とシャウトしたり、ビホルダーをインタビュー(=拷問)するシーンでは、何度もカラテチョップを反復しては声を合わせて「イヤーッ!」と叫んだり…普段の#njslyrタグでの本編実況時の興奮がそのまま再現されたような、特別な体験でした。

考えてみれば、Twitterタイムラインでの不定期な連載それ自体が、どことなく昔の紙芝居屋さんと共通する要素があって、実際に観客として参加してみると驚くほどの親和性を感じました。あっこの感覚か!みたいな。それもこれも、お話と、絵と、演者さんの三要素揃っての賜物なのですが。いやー素晴らしかった。

紙芝居の原画は、終演後に抽選で配布されたほか、Pixivでも公開されています。

「紙芝居「レイジ・アゲンスト・トーフ」」/「無限軌道オニギリ」の漫画 [pixiv]
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44109030

そんなこんなで、即売会は15時に終了。続いてイベントスペースでは、忍殺世界をテーマにした映像と音楽のショーが始まり、熱気冷めやらぬニンジャヘッズたちで盛り上がっていました。どこからともなく湧き起こるオムラコールとか、流れるように飛びだす忍殺語を耳にしては、みんな重篤ヘッズなのを普段隠して生きているんだろうなぁという謎の感慨が。私は途中で抜けて移動してしまったのだけど、あのあとみんなで「ラブ王侯」を歌ったりしたみたいで、いいなぁーと。

というわけで「にんぱく」、すごく楽しかったです。手作り…アナログのあたたかみを感じるとともに、これもまた来るべき世界的ニンジャ・ムーブメントのほんの序章に過ぎないのだなあと思うと、胸が熱くなるものがありました。ナンカスゴーイ。

「ニンジャ万博」に参加します

漫画2014-06-14 12:46

20140528

ニンジャスレイヤー」という作品にハマっているというのは、このブログでも度々言及している通りなのですが、このほど勢い余って二次創作を始めました。6月15日(日)、板橋区立グリーンホールで開催されるオンリーイベント「ニンジャ万博」にて、アンソロジー企画に漫画を2ページ寄稿しています。

◆ニンジャ万博◆
http://nin89.webcrow.jp/89/top.html

もちろん当日はイベントにも遊びに行きます。というか、本当はサークル参加したかったんだけど、一足遅くてですね。私の知る限り、界隈で有名なサークルさんが軒並み参加されるので、ニンジャスレイヤーを全編読破していない方でも、きっと楽しめるのではないかと思います。

ファン主催によるオンリーイベントとしては、去年も4月に「ニンジャ文化祭」というイベントが秋葉原であって、これはニンジャ万博よりもずっと小規模なものだったようなのですが、私は行きそびれてしまって。で、後にコミックZINでこの文化祭のアンソロ本を買って、これは面白いなあと。

二次創作の経験自体がほとんどないのであれですが、ニンジャスレイヤーならではの特徴ということでいうと、ビジュアル的な設定縛りがかなり緩いんですよね。それこそ、書籍版のイラストにすら準拠する必要はなく(と、翻訳チームがファンアート募集の告知文のなかで宣言している)、実際に、現行の3種類の公式コミカライズはそれぞれ主人公のデザインがまったく違う。

なので、何をもってニンジャスレイヤー的な世界観を表現するかというと、キャラクターのシチュエーションだったり、台詞回しだったり。一方で、何もかも自由にできるかというとそうではなくて、作中には厳然と時系列があるし、設定に関する言及箇所は膨大な各エピソード原文中に散在しているし。またあるいは、キャラクターや舞台背景のデザイン解釈それ自体が作家性の見せどころだったりする。二次創作のハードルとしては、オリジナル作品と同じくらい高いような気はします。ただ、それだけに挑戦し甲斐がある。

個人的な活動としては、上記のアンソロ参加のほかは、散発的にTwitterにイラストを上げたり(ファンが投稿する二次創作イラストには#ウキヨエタグをつけるのが慣例となっています)、先日は書籍のイラスト募集フォームにも1点投稿しました。pixivのほうにいくつかまとめてあります。

ニンジャスレイヤーまとめ by R-9 on pixiv

ともかく今は、色々な作家さんの表現するニンジャスレイヤーに興味津々で。「ニンジャ万博」、当日を楽しみにしています。

SBCDNB7、ありがとうございました

活動2014-06-13 00:55

先日は茶箱での「SBCDNB7」に遊びに来ていただいた皆さま、ありがとうございました。DJ出演者の方々、茶箱さんのご協力のおかげで無事に終わり、今回もまた多くのかたに楽しんでいただけたようで良かったです。まずはお礼まで。

今回に限ったことではないんだけど、ドラムンのDJを始めるようになってから、20代のDJと知り合う機会が明らかに多くなって、すごく嬉しいです。どうも私はまだまだ知らないことばかりのようで、アーティストやレーベルについて教えてもらうのはもちろん、テクノとは全然文法の違うミックスの仕方や、世代特有のカルチャーというか空気感など、いろいろ学ばせてもらってます。

もちろん、テクノにだっていい若手DJがいっぱいいるのは知っているんだけど、こう、ひとつのジャンルで長くやっていると、どうしても知識・経験とも脂の乗った先輩方に付いていかなきゃという姿勢になりがちで、気付けば、身近なところは30代でがっちり固まっている感じで。学生のころからずっと先のほうばかり見て走って来たので、自分の後ろにもこんなに豊かな、複雑な文化が実っているのに触れることができるというのは、何とも言えない、新鮮な感覚です。うれしい。

同時に、まだまだ負けたくないし頑張ろうっていうパワーも湧いてくる。世代とかクラスタとか全部飛び越えて、ドラムンベース、みんなで盛り上げていけるといいですね。

少ないですが、当日キャッシャーの合間に撮った写真はFlickrに上げました。

2014-06-07 sbcdnb7 - an album on Flickr
https://www.flickr.com/photos/epxstudio/sets/72157645073885882/

あと、例によってプレイした曲をまとめておきます。

  1. Dub Phizix /Never Been feat. Fox
  2. Calibre /Honew Dew
  3. Slick Shoota /Jungle Chamber VIP
  4. Calibre /Garbage Man
  5. DJ Rashad, DJ Spinn, Alix Perez /Make It Worth
  6. Slick Shoota /Kik
  7. Yung Nation /Shawty Wassup (Slick Shoota Remix)
  8. Calibre /Trip It
  9. Clarity /Fractured
  10. Slick Shoota /Draw VIP
  11. Marvel Cinema /Adventures
  12. Dub Phizix /Break It
  13. Slick Shoota /Love & Rockets
  14. Slick Shoota /Juxtapose
  15. Joss Ryan /Melancholy Dreams (Slick Shoota Remix)
  16. Mage /Echo From The Past
  17. Stray /Long Lost
  18. Majestics /My Man's Gone Now
  19. Grinda /Lullaby
  20. Yasuo Sato /Mirage Of Drums
  21. Sinistarr /Gaiden
  22. London Elektricity /Different Drum (London Elektricity & Tomahawk Remix)
  23. Calibre /Who's Singing
  24. Klute /My Black & White feat. Klose (Calibre Remix)
  25. Donnie Dubson /Summer Came

Calibreのソリッドなトラックと、フットワーク系の変則的なビートのクロスオーバーというのが、いま一番やりたいことです。実はTR-8をを使ったこういう系統の曲作りも実験しているところで、今後も地道に研究していければ。
あと時節柄"Summer Came"をかけて終わりたかったというのはあります。この曲好きなのほんと。

次回は未定ですが、年内くらいには。気長にお待ちくださーい。

『機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]』を観た

日記2014-06-02 23:27

遅まきながら、最終話のepisode7を桜木町のブルク13で観ました。ガンダムまったく知らなかった私が急に観始めた経緯は前回の記事に書いた通りですが(『機動戦士ガンダム』を観た | EPX studio blog)、いやあもう本当に、ファーストガンダムを観ておいてよかったです。あれがなかったら、話の筋が最後まで見えなくてモヤモヤしたままだったかも。ってわけで、初心者なりに楽しめたし、1月から3月にかけてep1から6までずっとDVDで観てきたけど、最後に劇場で観ることができてよかった。

以下、核心に触れるネタバレはありませんが、ゆるい感じのはあるかもです。

私は前回のep6までを観終わった時点で、ファーストガンダムの筋書きを全然知らなかったこともあってか、正直に言ってお話…というか主人公たちの目指すところがよく分からなかったのです。固有名詞なんかはまあ、あとからサイトで読んだりしているんだけど、いかんせん「ラプラスの箱」という概念が抽象的すぎて。映像とかエピソードはすごい楽しめて、『キルラキル』も手掛けた澤野さんの音楽も劇的で、でも1話終わるごとに、で、どういうことなのというモヤっとしたものが。

ep7を鑑賞するにあたり、このモヤモヤが各話構成として意図されたものなのか、それとも私にガンダム知識が足りないが故のものなのかが不安だったのですが、結果、これはほぼ前者のとおりで、ちゃんと主要な謎はクリアになって、物語としてキレイに終わりました。もちろん、細かいところは全然拾い切れていないものの(マリーダさんの強化人間としてのシチュエーションとか、ビスト財団と連邦との関係とか、ネオ・ジオンの成り立ちとか、なんでリディさんがあんなになっちゃったのかとか)、まあ、まったくの初心者を一応納得させたというのは、過不足ない構成だったのだと思います。箱の正体がああいうものだったというのは。面白かったですよ。

映像としては、すっごい緻密なメカがギュンギュン動いてるのは単純にカッコ良かったし、特にクシャトリヤの造形にうおーってなりました。あと、ネオ・ジオングのラスボス感!あのあたりはなんか、ガンダムがというよりは90年代のRPGだとかを通ってきた私なんかの世代には共通のツボなのかなあと思いました。ニヤニヤしてしまった。

お話は、結局のところ政治、政治の話なのでちょっと疲れてしまったけれど。なんというか、理詰めで物語を組み立ててゆく感じが、ファーストガンダムを観たばかりの自分にとっては非常に現代的というか、00年代以降的に感じました。固有名詞・設定ありきというか。これは実は自分の好みではないんだけど、最後まで観た結果、定義を明らかにしない固有名詞の積み重ねで衒学的に煙に巻くようなタイプの作品(<これが本当に苦手)では全然なかったので、良かったなと。素直に、他のガンダム作品にも興味が湧きました。

そう、冒頭のepisodeEXで、大量に過去作品のクライマックスシーンの引用があったんですよね。これもあって、ガンダムをちゃんと43話まで観ておいてよかった。途中までだったら、あれ普通にネタバレだもんね。でいて、本編にもたくさん映像やモチーフの引用があって、徹底してオールドファンへのサービスを尽くした作品なのだなと、改めて理解できました。ガンダムのナレーターが永井一郎さんだと知らなかったら、このUCep7は単に「磯野波平ショー」として認識してしまっていたかもしれない。おそろしい。

アルベルトさんが、なんだかすっごい目がキラキラしていたので笑ってしまった。いいキャラでしたね。あと、カイさんがちょいちょい出てきたのが嬉しかった。

でなんか、モビルスーツの造形に改めて興味を持ってしまって、ガンプラがどれだけ出ているのかとか初めて検索して、へーみたいな。興味はある。あるんだけど、自分が超絶不器用でまるでプラモ作りのセンスがないのを知っているので、悩ましいところです。ぐりぐり動く完成品のやつ(これもいろいろ種類出てますよね)なら欲しいかもだ。

そんな感じで、いや、すごく面白い作品でした。次に観るのは、Zガンダムの劇場版三部作のつもりです。

機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]
http://www.gundam-unicorn.net/
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