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Tracktion 5とTB-3

テクノ2014-03-26 22:51

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DAWソフトウェアを買い替えまして、Tracktionのバージョンを4から5にしました。っていうかTracktion自体がいまひとつマイナーなのであれなんですが、今年になってメジャーアップデートがあったばかりなのです。かつてはMackie/Tapco製品にバンドルされていたDAWで、一時はほとんど更新も凍結されていたのに、昨年奇跡の復活を遂げた。詳しくは、下記のICONのインタビューが素晴らしいので、未読のかたは読んでみてください。

ICON ≫ カルト的人気を誇るDAW「Tracktion」が遂に復活! Tracktion Softwareスタッフに訊く、復活までの経緯と今後の展開
http://icon.jp/archives/4796

カルト…。私はバージョン1のころから愛用していて、LiveやAcidをちょっとかじったのを除けば、PCでの音楽制作はずっとTracktionです。軽い、分かりやすい、そしてなんと言っても安い!元から安かったけど、今回のバージョン5のダウンロード購入はフル製品版が59.99ドルで、アップグレード版が29.99ドル。VSTプラグインは最小限のものがついているだけで、シンセとかはまったくないけれど、フリーでも何でも持っていれば好きなの使えるし、編集周りはもちろんひと通りのことはできる。

Tracktionのいいところ、T5の感想

UIにちょっとクセがあって、いわゆるミキサー画面がないのです。作曲に関わる全ての操作が一画面(シングルスクリーン)で済むというのが設計コンセプトらしい。音声信号は基本的に画面左から右に流れるという考えかたで、右側のフィルターセクションが要するにミキサーにあたる部分。ここにVSTシンセやエフェクトを、信号の流れを考えて差し込んで、ボリュームやパンも調整してみたいな。
Tracktionは、ピアノロールでMIDIの打ち込みもできるんだけど、どちらかというとオーディオ編集に強いDAWという評価みたいですね。何テイクも録って選んだり切り貼りしたりとか、ショートカットも充実していて、慣れると本当に手早く作業できます。

昨年のバージョン4は、Mackieから独立して久しぶりのバージョンアップというということで、システムの内部的なアップデートが中心だったようですが、今回の5ではユーザー側のデザインが大きく変わりました。ざっくり言うとカラフルにポップになった感じ。フォントも見やすくなったし、私はかなり良いと思います、これ。カルト的な愛着は置いといて、ようやくほかの人に薦められるようになりました。

使ってみてまず驚いたのは、VSTプラグインのスキャンがめちゃめちゃ速くなったこと。単にフォルダを指定して任意のタイミングで読み込むだけなんだけど、4よりかなり速い。そして起動そのものも速くなって、やろうと思ったときにきびきびと制作に移れるなあという印象です。
地味に助かるのが、タブで複数のプロジェクトを同時に開きっぱなしにできるようになった点です。CDのマスタリングとかで、他の曲と揃えるように微調整したいときにプロジェクトを行き来するのが楽になりますね。

他にもアップデートで良くなった点が結構あるみたいで、まだ全然試してないけど、公式のFeaturesにムービーでまとめられています。LiveとかBitwigとかみたいに、ライブで使えるDAWってわけではなくて、あくまで編集用途であればけっこう良い線行ってると思うんです。もっとユーザー増えてほしいし、日本語のドキュメント増えてほしい(いちおうDTM板にスレはある)。

MIDIでTB-3を鳴らす

さて、せっかくなのでT5とAIRAを使って何かやってみようかなと思って、まずはUSBで接続したTB-3をMIDIで鳴らしたのを、ダイレクトにオーディオトラックとして録音する、というのを試してみました。

前提として、TB-3のドライバーをRolandのサイトからインストールしてあって、Tracktion側ではSettingsタブのMIDI DevicesでTB-3をEnabledにしておく必要があります。TB-3はオーディオI/Fも兼ねているので、Audio DevicesでTB-3を選択しておけば、もちろんTB-3のヘッドフォン端子で一元的にモニターできます。

まず、Track1とかを選択して、画面下部のプロパティのTrack DestinationでTB-3を指定しておきます。ここは、そのトラックをどのオーディオまたはMIDI音源に送るかという設定項目で、MIDIクリップを並べたトラックでMIDI音源を指定した場合は、そのデバイスにMIDI信号が送られます。

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MIDIクリップを選択すると、プロパティパネルでMIDIチャンネルを選択できます。TB-3の場合は「2」でした。これで再生すれば、TB-3側でそのままMIDIクリップが再生されるはずです。

で今度は、これを再生と同時に別のトラックに録音します。Track2とかの空いているトラックを選びます。トラック名のすぐ下にある矢印のアイコンが、入力信号を指定するセクションなのですが、ここでTB-3からのオーディオ入力を受けます。今回は、プリセット音色「A02」のTB-303デフォルト矩形波をモノラルで録るので、Input1を選んだうえで、「R」が赤の状態になるようにクリックします。これでOK。ステレオで録るには、Number of inputsを2にして、Input1と2を選択します。

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ちなみに、ここでキーボードなどのMIDIコンなどを入力デバイスとして指定すると、トラック右側のフィルターセクションに差し込んだVSTシンセなどを鳴らせます。つまり、オーディオ信号を受けるかMIDI信号を受けるか、こういう所までMIDIもオーディオも一緒くたなのが、Tracktionの特徴なのかもしれません(というか他のDAWを知らないのですが)。

この状態で、画面右下のRecボタンを押すと、Track1のMIDIクリップが走るのと同時に、Track2ではMIDIを受けたTB-3の発音を、並行してオーディオクリップとして録音します。この間、TB-3でツマミやENV MODのパッドなどをうにょうにょいじれば、もちろんオーディオクリップに反映します。シーケンスを自動再生しつつ、実際に鳴った音をオーディオとして録る。

そんな感じで録ってみたのがこれです。SoundCloudにアップしました。

モノシンセで何をやるかと考えたら、無伴奏チェロ組曲というのはおもしろいかなと。ベースマシンで鳴らすことを前提に、ピッチシフターでMIDIクリップを1オクターブ下げてます。これそのものはお遊びですが、私はバロック音楽の通奏低音をアシッド・ベースでやるというのはアリだと思っていて、このやりかたで多重録音をすれば、わりと簡単に他のバッハの曲もできそうな感じです。

TB-3のツマミの動きをオートメーションとして記録する

ローランドのサイトでTB-3のMIDIインプリメンテーション・チャートが公開されています(つまみやパッドの動きを MIDI 出力できますか? :: TB-3 :: Q&A :: サポート :: ローランド)。これを利用して、今度はオーディオクリップの録音ではなく、MIDIクリップにツマミのパラメータを重ね録りするような感じで、リアルタイムにオートメーションを描いてみます。

MIDIクリップのあるトラックの入力信号として、MIDIデバイスのTB-3を設定します。そして、画面右下のAutomation Write Modeのボタンをオンにします。これを有効化することで、接続したMIDIコントローラ(ここではTB-3)のつまみの動きをコントロールチェンジとしてMIDIクリップに書き込むことができます。Recボタンで録音を開始して、Cutoffをぐりっぐりします。

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MIDIインプリメンテーション・チャートによると、CutoffのCCは74なので、MIDIクリップを選択して左上のTypeからControl Changesで74を選択、隣のControlをオンにすると、このように記録されていることが確認できます。ローランドのヘルプによると「MIDIのコントロールチェンジに置き換えられたつまみの情報は、元の情報より精度が落ちますので、受信側では元の滑らかなつまみの動きを完全に再現できない場合があります。」とありますが、少なくともこのMIDIデータをTB-3で再生する限りは滑らかに聞こえました。

以上、自分用の備忘録も兼ねて、Tracktion 5の簡単なインストラクションでした。

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