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青色申告、記帳の手順と仕訳の要点

日記2013-02-26 23:28

主に、来年の自分への覚え書きです。一年も経つと忘れてしまうよね。

過去記事はこのへん(「e-Taxで初めて青色申告してみた」「やよいの青色申告を使ってみた」)を参照してください。

私の場合、商店やはたまた企業のように細かい取引が日常的にあるわけではないので、経理業務に関してはどうしてもルーズになりがち。案件管理のために、Excel上のプロジェクトリストは細かく更新しているけど、「やよい」を使ったナントカ帳みたいな帳簿への記入は、ほとんど、というか一年間まったくやっていませんでした。それを、3月15日までになんとかしたいと思い。もちろん、作らないと申告できないし、申告しないと払いすぎた税金が戻ってこないからです。

余談ですが、申告していないと、所得に応じて変わる住民税や健康保険料の額が決まらないため、何度も所得を申告するように催促が来たり、遅れるとまとめて請求されたり、いろいろこわーいことがあります。私は何年か前、実際にやらかして懲りました。

そして、以下はあくまで初心者である私なりの「やよいの青色申告」の使いかたです。特にこの方法をお勧めするものではありませんし、参考にしていただく場合はご自分の責任においてお願いします。何にせよ、書籍がいろいろ出ています。

売り上げの入力

何はなくとも、収入を整理したいので売り上げから記入していきます。記帳のためにはさまざまな種類の帳簿があり、これが最初の混乱のもとなわけですが、これらはすべて関連があり、やよいの場合はひとつの帳簿に記入すると、自動的に他の帳簿に転記される仕組みになっています。つまり、取引の種類によって、書きやすい(見やすい)帳簿を使えばいいわけです。

さて、私の場合は請求が納品・検収を兼ねているため、記帳のタイミングは、請求したときと回収した(代金が振り込まれた)ときです。売掛帳を開き、画面上部の「補助科目」で事前に売掛金の補助科目として設定したクライアント名を選択し、クライアントごとに取引を入力します。勘定科目は「売上高」、摘要に案件名、請求額といった感じで。
続いて、回収したときの記帳方法です。同じ売掛帳で、勘定科目に「普通預金」、補助科目に事前に設定した銀行名、適用に案件名、回収した金額。以上は、実はやよいに同梱されている「業務マニュアル」に書かれているそのままの方法です。

ひと手間必要なのは、源泉徴収をされている場合。この場合、回収にあたる取引の記帳方法が異なります。

まず、請求時の全額を回収したものとして普通に記帳し、その行冒頭を右クリックして「振替伝票に変換」します。振替伝票の編集画面で、2行目に借方勘定科目「事業主貸」として記入し、源泉徴収額を入力します(あらかじめ、事業主貸の補助科目として「源泉徴収」という科目を作っておくといいようです)。そのままだと、貸借バランスがゼロにならず伝票を登録できないので、1行目の売掛金を実際に入金された額(=請求全額から源泉徴収額を引いた額)に手動で修正し、「登録」ボタンでその伝票を保存します。
以上で、売掛帳上でも「振伝」として保存され、この取引の入力は完了です。

ところで、年度をまたぐ取引の入力はどうするか。例えば、年度内に納品・請求して、入金は次年度になる場合。

この場合は、まず「ファイル」>「繰越処理」で次年度の事業所データを作成してしまいます。いろいろダイアログが出ますが気にせず保存。完了すると、次年度の画面になっているので、「年度切り換え」で当年度に戻り、売掛帳で請求時取引を入力、「次年度更新」で次年度に移って、次に入金時取引を入力。このとき、売掛金の帳簿上、右上の「残高」に繰越金額が反映されています。「年度切り換え」でまた当年度の編集に戻ります。

預金通帳に基づく経費の入力

なんだか長くなってしまいましたが、ここからは要点だけ。

次に、銀行の預金通帳をもとに、既に入力済みの売り上げ回収分の取引を除く、すべての取引を入力していきます。私用のために使った取引も、すべてです。私の場合、ひとつの口座で事業用と私用が一緒くたになっているのですが、あまり良くないみたいです。私もそう思います。入力がめんどくさいからです...。

預金出納帳を開くと、先に売掛帳で記入したうち、銀行口座に関係する取引が既に記入された状態になっています。表示されない場合、画面左上の補助科目で銀行名を選択します。

さて仕訳です。事業に関係しないもの、つまり経費と認められないものは「事業主貸」です。私的に引き出したお金は事業主貸。国民健康保険料と国民年金保険料も事業主貸。住民税も事業主貸。詳しくは「No.2210 やさしい必要経費の知識|所得税|国税庁」などを参考に。

クレジットカードの支払いについては、後述します。

経費にあたるものは経費として。振込手数料は、勘定科目に「支払手数料」というのがあります。

普通預金の利息は、科目は「事業主借」とすると良いようです。なぜならすでに税金が引かれているため、所得税の課税対象にならないからとか(「預金の利子の扱いは?」)。

所得税の還付金は?これは、「雑収入」で良いようです。これにより、あとあと作成する決算書の「売上(収入)金額」は、売り上げに雑収入を加えた金額になります。

クレジットカードに関する取引

経費にあたる買い物と、私物の購入費用がごっちゃになっていると面倒ですね。私のやり方はこうです。まず、仕訳日記帳で、経費にあたる取引だけを借方「消耗品費」・貸方「未払金」などとしてばーっと記入。
次に、私用の取引を借方「事業主貸」・貸方「未払い金」として記入。このとき、月々のカード請求明細を参考にして、月あたりの請求額から諸経費を除いた「私物のみの請求額」を事前にまとめておくと楽です。
最後に、預金出納帳で口座引き落としにあたる取引を入力していきます。借方勘定科目は「未払金」です。ここでカードの支払いすべてを入力したら、預金出納帳と実際の預金通帳がまったく同じ内容になるか確認します。

現金に基づく経費の入力

そして、現金出納帳を用いた現金の取引です。厳密には事業用の現金を分けるべきでしょうが、私の場合、案の定プライベートのお金とごっちゃになっています。なんとかなります。最初の事業所データ作成のときに、ざっくりと事業用の現金を用意したと仮定して、入力しておきましょう。
溜め込んだ領収書・レシートを引っぱり出して、経費にあたるものを入力していきます。長い道のりです。全部入力し終わったら、とりあえず申告に必要な決算書の出力ができます。お疲れさまでした。

そのほか申告の準備

社会保険料控除、つまり健保と年金に支払った全額をまとめておきます。証明書の添付は不要なので、金額だけすぐ分かるようにしておくと楽です。

国民健康保険料は、うちのあたりだと翌年度の1月に、世帯主宛てに「国民健康保険料年間納付済額のお知らせ」というハガキが来ます。総額はこれに書いてあります。

国民年金保険料は、当年度の10月に、本人宛てに「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」というハガキが来ます。これは、10月時点でまだ払っていない額を含む見込み額での記載となっているので注意が必要です。

源泉徴収税額も、クライアントごとに集計しておきます。先の記事の通り、e-Taxにおいては支払調書の添付は不要だそうですが、申告書を作成するときに手動で入力する必要があります。還付されるか否かの重要なポイントなので、入力漏れのないよう気をつけます。

だいたいこんなところです。
何にせよ、日常的に記帳をこなしていれば、申告直前にバタバタすることはないんですよね。身をもって学びました。とりあえず、無事に済んでよかったです。

e-Taxで初めて青色申告してみた

日記2013-02-26 21:36

平成24年度分の確定申告を終えました。昨年こういう記事(「やよいの青色申告を使ってみた」)を書いて、ひと通り練習してはみたものの、いわゆる正式な青色申告は今回が初めてでした。結論を先に書いてしまうと、会計ソフトで日常的に帳簿をつけていれば、e-Taxによる申告自体はまったく難しくないです。帳簿をつけていれば...。

まずは事前準備

青色申告は事前申請が必要です。申告の対象となる年の1月何日かまで(つまり今年の申告なら去年の1月)に、税務署でペラの申請書を提出します。書き方は税務署の方が教えてくれます。

それから、電子証明書つきの住民基本台帳カード。これは区役所なりの窓口で申請します。私は住基カード自体を持っていなかったので、これを機会に作りました。証明写真なしのタイプで、印紙代500円で即日発行されました。

最後に、ICカードリーダライタ。手持ちの型落ちVAIOにFeliCaポートがついていて、これで行けるかなと思っていたんですが、ダメみたいです([VAIO_PC] FeliCaポートはe-Tax(国税電子申... | Q&Aページ | サポート | VAIO | ソニー)。ってわけで、RC-S380を買いました。店頭で2,980円くらい、初回のe-Taxの税額控除が3,000円なことを考えると腑に落ちないものの、ものは試しです。マニュアル通りにセットアップします。

そのうえで、国税庁の提供する「事前準備セットアッププログラム」を実行します。あと、WindowsはブラウザはIEでないとダメみたいです。ポップアップを切ったり、あれこれしましょう。

そもそも記帳をサボっていた場合

私です。しましょう。文字通り、ここが年貢の納めどきです。
自分の場合、案件の管理はExcel上のプロジェクトリストでやっていて、見積もりから納品、請求、入金確認までを連番でステータス管理しています。また、領収書・レシートの類は月ごとに封筒に入れて管理しています。ですが、これ以外の経理らしい業務をまったくやっていませんでした。

だいたい、銀行の預金通帳への記帳も、ちょっと目を離した隙に「合計記帳」になってしまっていて、これでは明細が分からないので帳簿がつけられない。渋々銀行に行ったところ、郵送で発行するのとことで、実は店頭まで行かなくても電話で発行が依頼できたみたいです(三菱東京UFJの場合)。通帳の表紙裏に書いてあるオペセンの番号に電話してねとのことでした。

さて、帳簿の作成は会計ソフトを使います。「やよいの確定申告」の出番です。
ちなみに購入時に有料サポートへの加入を電話で薦められますが、不要でした。メジャーな会計ソフトなので大概のことはググれば解決するし、そもそも最初についている「業務マニュアル」が実践的で良くできてます。

また、毎年出るバージョンアップ版も買う必要はないと思います。バージョンが古いと、いわゆる「申告書B」が出力できないようですが、決算書は作れるので、決算書通りにe-Taxの画面に入力していけば「申告書B」と同等のものが作成できるからです。次年度への繰り越し処理もできるため、法律があれこれ変わらない限りは使いまわせそうです。

記帳や仕訳の要点については、別の記事にまとめます。

e-Taxで申告する

公式で、ダミーデータを使ってひと通り申告手順をシミュレートできるデモがあるので、全体のボリューム感や流れを把握するにはおすすめです。

まずは、「利用者識別番号」ってのを取得します。要はe-Tax用のアカウントを作って、ICカードリーダライタを介して電子証明書と紐づけるわけですね。ここで取得する「利用者識別番号」と「暗証番号」(電子証明書の暗証番号とは別に、新たに設定するものです)は、申告手続きの途中で何度か入力を求められるので、メモっておく必要がありそうです。

あとは手順に従って、やよいで作った決算書を見ながら、数値を入力していくだけです。青色申告の場合、青色申告決算書→申告書Bの順で作成します。戻って修正したり、途中保存したりもできます。

申告書Bの画面で、肝心の「源泉徴収税額」が直接入力ができなくて少し迷いました。これは「収入金額等」の事業の入力画面(別ウィンドウが開く)の画面下の表に入力します。入力を完了すると反映されます。
ちなみにe-Taxを利用する場合、源泉徴収票(支払調書)の添付は免除されるそうで、だいぶ便利ですね。昨年税務署に提出したときは、別紙にノリづけして出しました。

というわけで、私は経理を怠っていたおかげで帳簿作りにだいぶ手間取ってしまったわけですが、それに関する話を次の記事で書きたいと思います。ほんと、e-Taxによる申告自体は意外にあっさり終わりました。

「Aki-Bug Super 前夜祭」に出演します

活動2013-02-22 01:47

お知らせです。3月8日金曜日、秋葉原オトトリズムで開催される掲題パーティーにDJで参加します。今回はテクノセットで、わりかし早い時間です。詳細はぜひこちらで。

Tweetvite :: Aki-Bug Super 前夜祭
http://tweetvite.com/event/abspp

そもそもこのパーティー、秋葉原カルチャーとクラブミュージックの親和性に着目した屋内レイヴの先駆「ハチロク」の後継として生まれた「Aki-Bug」のプレ・パーティーなんですね。本番は翌土曜日深夜に、別の会場で。

数々の伝説を生んだ当パーティーについては、過去の記事(「96-クンロク-に遊びに行きました」、「6⇒ZEROのセットと録音」)でも書いている通りです。手作り感溢れるショウケースで、居心地もよく、どこにいてもお祭り気分で楽しい。特に、出演させていただいた「6⇒ZERO」では、短いセットながら当時やりたかったエッセンスを詰め込むことができて、充実した気分でいっぱいでした。本当に楽しかったのです。

もともと、秋葉原とその周辺文化にはたいした縁もなく、どちらかというと一歩退いていた私ですが、ある種このイベントがきっかけで親しみを覚えるようになりました。今回、前夜祭という形でまた声をかけていただけて嬉しいです。

平日の早い時間のスタートとあって、なかなか難しいと思いますが、夜までいい感じのラインナップになっていますので、翌日の本番と併せてぜひ。楽しみましょう!

「as U like #31」でした

活動2013-02-17 15:16

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なんか、本当になんでもアリで楽しかったです。「AUL」の素晴らしいところはお客さんで、好みの音をあれこれというより、今を楽しむということ自体に対して貪欲というか、そういう意味ではれっきとしたハウスのノリなんだなぁと思いました。実は前回も遊びに行っているのですが、ハウスオンリーの回ではない今回のほうが(逆説的ながら)そのことを強く感じたという。見慣れた茶箱の店内が、いつもとちょっと違って見えました。

呼ばれてDJをするのは気分が軽くて、特に昨日は、近場に遠足に行くような気分で参加させてもらいました。どうもありがとうございました!

例によって、レコーダでマイク録りしたあとDAWで補正をかけた音源を公開します。ラインで録るより音質は落ちますが、一度フロアの空気を経由しているほうが好きなのです。

R-9 - Live @ as U like #31 2013-02-16
http://www.epxstudio.com/music/mp3/R-9_-_Live@as_U_like_31_2013-02-16.mp3
  1. はむ子XT /Lights From Nowhere [white]
  2. London Elektricity /Meteorites [Hospital]
  3. Flame /Scorpio [Modulate]
  4. Clarity /Parallels [Horizons]
  5. MSDOS /Sun Rising [Liquid Drops]
  6. Dub Phizix /Break It [Modulations]
  7. Calibre /Life [Signature]
  8. Dub Phizix & Skittles /I'm A Creator [Exit]
  9. Mage /White Line [Celsius]
  10. dRamatic & dbAudio /Far Away (Total Science Remix) [Ingredients]
  11. sanodg /Hand Your Hand [Detune]
  12. Clarity /Fractured [Exit]
  13. Yasuo Sato /Mirage Of Drums [white]
  14. Marcus Intalex /Red 7 [Soul:r]
  15. Limit & Asymmetric /Long Road [Plush]
  16. Calibre /Who's Singing [Signature]
  17. London Elektricity /Born To Synthesise [Hospital]
  18. Clarity & Overlook /Chinatown [white]
  19. Marcus Intalex /Redan [Samurai Music]
  20. Netsky /Come Alive [Hospital]
  21. banvox /Laser [Maltine]

今回はドラムンベース・セットでした。ロシアの隕石騒ぎだとか、小惑星の接近だとかで"Meteorites"はかけようと思っていました。これ、本当に歌詞が素敵なので、詞を書いて歌っているElsa EsmeraldaさんのFBのノートでぜひ読んでみてください(そして不出来な日本語ローカライズ版のことは忘れましょう)。

Meteorites lyrics
https://www.facebook.com/notes/elsa-esmeralda/meteorites-lyrics/122023887880718

音数が多いものと少ないもの、補完しあうような感じで波が作れたらいいなと思って選曲しました。60分のセットにしては、あれこれ詰め込むことができて、急ぎ足ながら充実感はありました。もっとポイントを絞って展開を作れるように、掘り下げていきたいなと思っています。

ドラムンベースを聴いて丸3年

テクノ2013-02-13 20:02

ドラムンベース始めました」という記事を書いてから3年が経っていました。DJを始めて丸10年の節目に、いっちょテクノ以外のジャンルにも手を伸ばしてみようということで、もともと気になっていたドラムンを。このあたりの経緯は記事の通りですが、ほぼ同時にDJセットも組み始めて、以降、茶箱での主催パーティー「SBCDNB」も5回を数え、いろんなアーティストやレーベルの発見もあり、という感じで、おかげさまで充実しています。

3年経って、ようやく好きな音の傾向が掴めてきました。というのも、一口にドラムンベースと言っても、すごく幅が広いんですよね。感覚的には、「テクノ」という言葉が示すそれと同じか、それより広いかもしれない。しかも、激しいのも深いのも、トラディショナルなのもアブストラクトなのも、あからさまに渾然一体となっている。全方位にグラデーションができていて、その間にカベを感じないところがテクノ・ハウスと違うなぁ、と思います(どちらが良いということではなく)。

聴き始めた当初、上の記事の通りSPLの"Reckoning"という曲にハマりまして、この人は今はすっかりダブステップに行ってしまいましたが、これ系のダークステップは今も好きで聴いています。あまりホラーっぽい、おどろおどろしいネタ使いの曲は、自分のセットに合わなくなってしまったので買っていませんが、Current Valueとか大好きです。昨年、Björkのリミックスに参加したのは衝撃でした。

サイバー系のトランシーなドラムンは、途中から買わなくなりました。これもまだ好きだけど、自分のDJのときは使わないし、もっといいDJが他にたくさんいるので。Viperとかけっこう買いました。たまにYouTubeでストリーミング中継されるHospitalのレーベルナイトなんか見ると、一度行ってみたいなとは思います。
ドラムンを聴き始めた2010年に出た、Camo & Krookedの"Above & Beyond"というアルバムにはかなりハマって、一時期はこればっか聴いてました。そういえばこの年は、Underworldも"Scribble"を出しましたね。ある意味で、同時多発的にそういう波が来ていた時期だったのかも。

一方、最近メインで買っているのは、あまり派手でないリキッドファンクと、ディープ系のドラムンベースです。この両者は親和性が高くて、例えばCalibreが自由に行き来していて、私の理想に近いです。2011年11月のDBSに出演したときに遊びに行って、すごく影響受けました。

それに加えて今は、一連のDub Phizixの作品やSamurai Musicの音に興味津々です。ミニマルな世界観、硬い音、間引いているのに疾走感を失わない細かい刻みかた、などなど。これとかね。

私は、高校生だった90年代にPhotekの"Modus Operandi"というアルバムにハマり、これがドラムンベース原体験のひとつだったのですが、かなり共通するものを感じます。詰め込むのではなくて、音を極限まで引き算して、その「間」を生かすというか。おもしろいのは、こういうシーケンスにおいては、ベースミュージックらしい「太いベース」ってさほど重要じゃない(ように聞こえる)んですよね。ソリッドなビート感さえあれば、可聴域ギリギリのサブベースが鳴ってるくらいで十分気持ちいいなと。

さらに言うと、いわゆるBerghain系のニュースクール・ミニマルやテクノとも、共通するシリアスな世界観を持っているように感じます。以前は漠然とそんな気がしているだけでしたが、先日RAに掲載されていたSamurai Musicレーベルの特集を読んで、強くそう思うようになりました。

フロアはテクノを聴いてトランス状態に入っているような感覚で、グルーヴにハマるのさ。これはしっかりとピークがあるような最近のドラムンベースから得る感覚とは違う。大半のダブステップと同じで、最近の殆どのドラムンベースのトラックは30秒間のピークに向けて作られているが、こういう音数の少ないドラムンベースは「通して聴く」という「体験」が重要だ。
RA: Label of the month: Samurai Music - Interview

なかなか、こういう系のドラムンベースをクラブで聴く機会がないので、今年はもうちょっと増やしていきたいなと思います。いいパーティーがあったら、ぜひ教えてください。

ところで、ここのところ突発的にUstreamでミックスを流したりしていましたが、昨日は録画していました。今週土曜日、茶箱での「as U like」に向けたスパーリングのつもりで。当日は、これプラス、そのときの雰囲気でいろいろ選曲します。自分はドラムンですが、パーティー的にはオールジャンルの回だそうですので、気軽に遊びに来てくださいね!

ちなみに「SBCDNB」も次いつやるの?とよく聞かれます。いまは定期開催をお休みしていますが、近々必ずまたやります!まだまだ駆け出しですが、よろしくお願いします。

Bandcampのソーシャル機能

テクノ2013-02-08 21:01

bandcamp fans以前からずーっと、あればいいなと思っていたBandcampのソーシャル系機能。1月にやっと実装されて、しばらく使ってみた感想などを書いてみます。

そもそもBandcampは、wavからの可逆圧縮であるFLACで音源を購入できて、なおかつ投げ銭的にアーティストにカンパできる仕組みが好きで、利用していました。最近ではメジャーなテクノレーベルもいくつか参入しているほか、Beatportなどで流通していないエクスクルーシブな音源も多く、展開に注目していたところです(過去記事「Beatport DJsとBandcamp」参照)。

ただ、これまでは、一般的な配信サイトに比べて「お気に入り」管理があまりにも貧弱でした。RSSフィードとして購読はできるものの、新譜がリリースされても分からないし、また類似のジャンルにどういったリリースがあるのか分からないため、好きな曲に出会いにくい。今回実装された「Fans(ファン)」機能では、嬉しいことに、このあたりの懸念点が一気に解決しています。

ファン機能は、いわゆるマイページのような形で、購入したリリース、ウィッシュリストに入れたリリースがcollectionとして一覧でき、またアーティストをフォローすることで、新譜情報のアラートがメールで届くようになります。フォローしているバンドは外部からも参照でき、ファン同士のフォローもできるので、好みのアーティストやレーベルのリリースが見つけやすくなります。

ファン用アカウントは、アーティスト(バンド)のアカウントとは別扱いとなり、既にアーティストアカウントを持っているユーザーも新規作成が必要です。下記ページの「Create your account」から作成できます。

Fans | Bandcamp
http://bandcamp.com/fans

作成した私のファンアカウントのcollectionページがこちらです。

epxstudio's collection | Bandcamp
http://bandcamp.com/epxstudio

上部には購入したリリースの一覧、下の方にはウィッシュリストに登録しているリリースが表示されています。アイテムは、自分のページであればドラッグで並び替えもできますが、今のところ、フリーダウンロードで落としたリリースは表示されず、お金を支払って購入したリリースだけが表示される仕様みたい。

Followingをクリックすると、フォローしているアカウントの一覧が表示されます。フォローは簡単で、ファンアカウントでログインした状態で、アーティストのページかリリースの詳細ページを表示すると、Followボタンが表示されます。このあたりはSNSとまったく同じ感覚ですね。

先日来日したSvrecaのSemantica Recordsなんかは、12インチの他は、データはBandcampのみでの流通のようです。リミキサーが豪華だったりで見逃せないリリースも多く、メール通知は重宝しそう。
1日に出たPlayerの過去作+レアトラックスを集めたアルバムの情報も、メールで知りました。Vampネタの"Revamp"はInfamous Playerの2番からですが、ずっとデータで欲しかったので嬉しい。

他にも、Bandcampを利用しているアーティストやレーベルを知りたいので、ファンアカウントを作った方はぜひ教えてくださいね。一応、EPX studio名義でのアーティストアカウントはこちら、Body Informのレーベルアカウントはこちらです。

2月16日「as U like」に出演します

活動2013-02-06 14:39

as U like (flyer)

お知らせです。来週末、早稲田「茶箱」での老舗ハウスパーティー「as U like」にDJで呼んでいただきました。16日土曜日の午後ですね。

as U like #31 as We like!!!!!! [2013.2.16 @ 茶箱] - as U like
http://as-u-like.net/2013/02/as-u-like-31-as-we-like-2013216.html

ハウスのパーティーですが、この日は年に一度の「as We like!!!!!!」という企画とのことで、オールジャンル、何でもありのお祭り回になるそうです。私は、今回はドラムンベースで1時間ほどプレイする予定です。

AULのパーティー(とレジデントのクルー)のカラーとして、すごくいいなと思うのは、ハッピーなところ。いい意味でがつがつしていなくて、お酒を飲んでいい音楽を聴いて、ポジティブな雰囲気に浸れるというところです。なので、そういった空間づくりの手助けになれるような選曲を考えています。

「SBCDNB」もご無沙汰しているし、久しぶりのドラムンベースセット、私も楽しみです。
気軽に遊びに来てくださいね。

「コミティア103」でした

漫画2013-02-06 14:15

当日本を手に取っていただいた皆さま、ありがとうございました。なんとか無事に終えることができました。前回、前々回のブランクを経て、新しいサークルでの参加ということで、いざ即売会となると身が引き締まる思いもありましたが、終わってみればいつも通りで。

新刊は『ラドリンカの尾』という読み切りを描きました。とあるスラム街を舞台に、尻尾の生えた女の子とそれを取り巻く人々のお話です。表題の人名だけ、フィリップ・クーテフのブルガリアン・ヴォイスの2に収録されている"Besrodna Nevesta"という歌から借りました。

サークル名を新たに、同人活動を出直すにあたり、自分はこれからどういう作品を描いていきたいのか、という点を改めて考えてみました。普段は一切読まない、昔作った本を全部読み返してみたり。そうすると、絵も内容もすごく稚拙だったり、逆に進歩のなさに途方にくれたりするわけですが、唯一、昔のほうが丁寧に作品に向き合っているんですよね。ヘタだけど、ヘタなりに頑張ってるなぁというか。

同人活動に関して言うと、私は挫折ばかりで、よく今まで足かけ9年(前身サークルでのコミケ参加も含めると11年)もマンガ描いてるなと思います。本当に、やめられるならやめたい。でも、自分のなかの何かがそれを許さないのです。かといって創作のアイデアが溢れ出てくるわけでなし、空っぽの井戸から水滴をすくい集めるみたいなことを、毎回毎回やってます。この苦行はどこまで続くんだろうと思います。

たまたま、原稿が上がったその日にウェブを巡回していたら、ある書評ブログで、『いまファンタジーにできること』という本に関連して書かれた、気になる一節を見つけました。

ファンタジーと未熟さをごっちゃにするのは、かなり大きな間違いだ。合理的だが、頭でっかちではなく、倫理的だが、あからさまではなく、寓意的というよりは象徴的――ファンタジーは原始的(プリミティブ)なのではなく、根源的(プライマリー)なのだ。
『いまファンタジーにできること』:紙魚:So-netブログ

私は、11年前に初めて描いたマンガもファンタジーだったし、遡って高校時代に文芸部で書いていた小説も全部ファンタジーだった。結局、ファンタジーが描きたいのです。それも判で押したような剣と魔法の冒険譚「ではなく」、現実で起こりうること以外の全てを網羅した、自分という人間の想像力の地平としてのファンタジー。それって必ず、知識や思想や美的感覚や、あらゆる点において自分自身を鏡映しにしたような、ウソのない作品になると思うんです。そういう作品を残したいというのは、なんというか理屈ではなく、子孫を残すような本能的な欲求なのかもと思います。

とはいえ、あらゆる表現がそうであるように、文法やルールへの深い理解があってこその作品作りなので、その意味でなるべく質の高いものが残せるよう、勉強していきたいと思います。今後もサークル「鏡像フーガ」、よろしければお付き合いください。

次回の「コミティア104」は、4月末の「M3-2013春」参加のためひとつスキップして、8月のコミティアに参加予定です。

「コミティア103」にサークル参加します

漫画2013-02-01 22:04

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いろいろと書くことはあるのですが、まず近い予定だけ。3日(日)のコミティアにサークル参加します。スペースはG05a、サークル名は「鏡像フーガ」です。そう、今回から新サークルでソロ参加することにしました。9年名乗った「B2B」への思い入れはあれど、やはり宮田くんが欠けたまま、このサークル名で続けるのは本意ではないので。

それはそうと、今回はピンチです(現在進行形)。原稿の最後の追い上げを予定していた今週、気をつけていたつもりが、風邪でダウン。しかも胃腸にくる系で、ペン入れしながらも超絶しんどくて、今朝ついに観念して病院に行ってきました。このタイムロスは痛い。今日明日で、なんとか頑張って仕上げます。

今回は、完全アナログ原稿でやっています。日曜日、精根尽き果てて全体的に白くなった私とビッグサイトで握手。よろしくお願いします。

鏡像フーガ
http://spiegelfuge.tumblr.com/
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