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タンゴ版ミサ曲:Misa A Buenos Aires

タンゴ2013-01-18 16:46

先日の夜中、たまには深いタンゴが聴きたいなと思いYouTubeを徘徊していたら、とある映像の関連動画に"Misa Tango"なる候補が出てきて、しかも飛び先に行ったらさらにずらずらと出てくる。MisaってMass、つまりカトリックのミサ曲のことらしい。え、タンゴで宗教曲ってどういうこと?

その曲というのは、アルゼンチンの作曲家Martin PalmeriによるMisa "A Buenos Aires"。バンドネオンとピアノ、弦楽オーケストラと四部合唱およびメゾソプラノ独唱のために書かれた楽曲で、詞はすべてラテン語の通常文によるもの。バッハのロ短調ミサと同じ、Kyrieに始まりAgnus Deiに至る5部からなる構成となっています。

思った以上にしっかりタンゴで、しかも協奏曲としてもいい曲なんですよね。冒頭の印象的な斉唱はバッハのロ短調さながらだし、続く強烈な低音の「ジュンバ」ビート、そしてバスから順に立ち上がってくる4声のフーガ。以降もピアソラ風の3-3-2のグルーヴが出てきたり、いかにもタンゴっぽく終わるGloria、超ロマンティックで壮大なCredoなど、トータル30分ちょっとの作品ですが、聴きどころばかりです。Credoは透明感のあるEt incarnatus estの独唱から、荘厳なCrucifixus、情熱的なEt resurrexitとダイナミックな対比が特に印象に残りました。

作曲者のサイトによると、この曲は1996年に初演され、翌年バンドネオンにパブロ・マイネッティを迎えて録音されています。このときCDのタイトルとして、分かりやすく"Misatango"と名付けられているようです。ありがたいことに今はiTunesとAmazon mp3でも買えるようになっているので、早速購入しました。こういう、タンゴなのか声楽曲なのか、はたまたクラシックなのか現代音楽なのかという謎のジャンルに関しては、CDでは異様に探しにくいので(下手をすると「その他」みたいなところにある)助かります。

Amazon.co.jp: Misatango/Misa A Buenos Aires: Mart n Palmeri: MP3ダウンロード
http://www.amazon.co.jp/Misatango-Misa-A-Buenos-Aires/dp/B003I3TTPI/

先に紹介した動画は、2011年ライプツィヒのニコライ教会でのコンサートの様子だそうです。そういえば、アストル・ピアソラが有名なセントラルパーク公演のMCで、バンドネオンのことを「ドイツの教会で生まれて、ブエノスアイレスの売春宿に持ち込まれた楽器」と紹介して笑いを取っていましたが、こうして100年以上を経て、バッハのお膝元の教会で再び宗教曲を演奏している様子を見るのは、バンドネオンという楽器の数奇な運命を目の当たりにしているようで感慨深いですね。

ところで、私は知らなかったのですが、各国ジャンルのミサ曲というのは実は、フォルクローレ版の『ミサ・クリオージャ』をはじめとして色々とあるのだそうで。タンゴについても、アカデミー賞も取ったLuis Bacalovという作曲家がその名も"Misa Tango"という作品を発表していて、一般的にはそちらのほうが有名なようです。

ただ、パルメリ作は合唱曲として根強い人気があるらしく、YouTubeにも色々なバリエーションが上がっています。私も両方聴いたけど、こちらのほうが好き。以下、作曲者自らコーラスを指導している様子を撮影したものもあって、ドキュメンタリーのようでおもしろいです。

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