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コミティア101で買った本

漫画2012-09-05 00:01

日曜日のコミティアで買った本を、いくつか覚え書き程度にメモしておきます。今回は、ティアマガや見本誌コーナーでじっくりリサーチしてというよりは、たまたま通りがかって良さそうな作品に手が伸びた感じです。

よく言われることですが、コミティアの出展サークルさんは総じて画力が高く、普通にブースを渡り歩いているだけでも目移りしてしまいます。とはいえ、端から手にとっても仕方ないので、求めている作品に出会うには多少のコツがあることも事実。
コミティアはジャンルごとに大まかにブロックが分かれているため、私の場合は、「少年まんが」「青年まんが」「SF・ファンタジー」の島を中心に当たるようにしています。

買い手側に回って気付くのは、作家さんには「本の中身を見える状態にしておいてほしい」ということです。というのは、表紙にピンと来て中を見せてもらっても、本文がアレッというケースがあまりにも多くて...。それは、単純に本文が期待値未満のときもあれば、予想に反してイラスト本や文章本だったり、はたまた合同誌で表紙だけ別の人が描いてたり、いろいろな理由によるのですが。
試し読みは必ずさせてもらうので、そういう時は買うには至らないんですけど、これってどことなく気まずい。手に取る前に、あらかじめ本文が見えていれば、ある程度予測がついて、結果双方にとって幸せのような気がします...。
閑話休題。

以下、感想メモです。太字はサークル名(敬称略)、誌名の順。

みみナリ 『phantom phobia』『帰省』
何年か前のティアで『魔法少女もずく』という、かなりクセのある魔法少女もの合同誌を描かれていたサークルさん。今回はナオイ旭さんの個人誌が2作品。毛色に違いがありますが、後者の『帰省』がすごく好きでした。帰省した妹には、実はコンプレックスを感じている姉に対する重大な隠しごとがあって、というお話。
シリアスな題材が、あくまでも軽いタッチで描かれていて、それだけに肝心なシーンでの心の機微がリアルに感じられました。幸せなオチで良かったです。
ふりかけぎょう座 『覚えているよ、』
初見の作家さんですが、絵柄が超好みでした。ラフなのにデッサン取れてて、コマ割りや台詞のセンスも鮮やか。こういう何気ない、短いやり取りだけでキャラ同士の関係性が成立しているのって、もうセンスとしか。画面的には百合っぽいですが、普遍的な友情を描いた作品として、とてもよく出来ていると思いました。
にこらてすら『私は猫になりたい』
ジョン・テンダさん個人誌。以前発表された同名作品に、追加ページを加えたオフセット本です。ごく普通の社会人女性に、ある朝起きたらネコミミが生えていたというお話。ネコミミというありふれたマンガ記号が、いつもの同氏の生活感あふれるシニカルな視点で淡々と描かれていて笑えます。冴えない熟年夫婦がUFOに出会う様子を描いた名作『サバービアの夫婦』を踏襲するシチュエーションコメディ。
おしゃれ団ひとり 『プじょし!』『つきみくん10.9』
どこか憎めないオタク、「つきみくん」に振り回される人々を描いた同名の4コマ作品シリーズでお馴染みの、西村もつさんの個人サークル。『つきみくん』の新作3話に加えて、今回のコミティアから、プロレス好き女子高生の日常をテーマにした『プじょし!』がスタート。もつさん自身が大のプロレスファンで、以前飲みの席で濃いエピソードをたくさん聞いたことがあるだけに、今後の展開が楽しみです。とにかくキャラがかわいい!
たる屋 『小春お出かけ日和』
同じく何年も前から交流のある、たる屋さんの新刊。今回も力作!複雑な設定の練られたファンタジーながら、ほとんど説明を挟まずに、20ページの本編に作品世界のエッセンスを詰め込んでいるのが見事です。表現としては「小春」の小さな冒険と、それを見守る人々の優しい目がいいですね。みんなキャラが立っていて、何気ないコマの何気ない仕草に、それが表れているのが相変わらず素敵でした。作画に磨きがかかっています。
サマーギフトくらぶ 『やさしいおじいちゃん』『ヴィジュアル系同人サークル』
おしゃれ団ひとりのもつさんに薦められた本、どちらも超ツボでした。笑いすぎた。前者は、コミティア101新刊の短編ギャグ漫画集。もしもフランダースの犬のパトラッシュがサイだったら、みたいな突き抜けたネームが光ります。
後者は表題そのもの、なぜかヴィジュアル系の同人漫画サークル「神眼盗威(シンメトリィ)」が、4人(+松尾さん)で危機を乗り越えていくサクセスストーリー。随所に散りばめられた同人あるあるネタといい、巻末に収録された作中作『肉まん戦隊ニクマナイツ』の気の抜けかたといい、サービス満点。肉まんが肉まんを殴る効果音が「ぱみっ」というのがいい。
highland 『008』
初見のサークルさんながら、表紙にパワーがあって、いくつかの作品の中から新刊を。コミティアの青年まんがジャンルらしい、アクの強い短編でした。場面が目まぐるしく変わるのと、説明が少ないので、難解な部分がありましたが。若返りの薬を手に入れてしまった老夫婦のお話。
雲形発着場 『クラウディア航行記8 衛士の義務(後編)』
空中に浮かぶ世界を舞台に、そこに巣食う「竜魚」から貿易船を守る「衛士」ロゼを主人公とした大型ファンタジー作品の第8話後編。1作目からずっとファンです。基本的に1話完結になっているのですが、今回は初めての続きもの。相変わらずの密度の高い画面と、練り込まれたドラマ、そして今回はラストカットが特に印象に残ります。まだまだ続いてほしい作品。
大深海水淵亭 『ASSEMBLE』『呪殺女子高生呪子さん』
初期のコミティアから参加されている、同サークル紅茶羊羹さんによる過去作総集編と、ペーパーマンガ詰め合わせ本。最も古いもので95年の作品なんかも収録されているものの、この時点で絵柄がこなれていてすごいです。ライトな小ネタ中心ですが、このちょっと懐かしいテイストが心地いい。何度も読み返したくなる。未読のかたはぜひ。
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